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子宮頸がんワクチン

子宮頸がんワクチン

・子宮頸がんはワクチンと検診で予防できるがんです。
・小学校6年生~高校1年生相当の女子は公費(無料)でワクチン(2価、4価)を打つことができます。
・どのワクチンも3回接種が必要です。
・子供も保護者もワクチンの必要性と安全性を理解し、不安なことがあれば相談した上で、接種をお勧めします。

子宮頸がんとは

子宮にできるがんには、「子宮頸がん」と「子宮体がん」があります。子宮頸がんと子宮体がんは発生する場所、原因、特徴などに違いがあります。
子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因となり、20~30歳台の若い女性に多く、子宮体がんはエストロゲン(女性ホルモン)が関係しており、閉経後の女性に多いのが特徴です。
子宮頸がんの早期には自覚症状はほとんどありませんが、病気が進行すると不正出血やおりものの異常、下腹部痛などを認めることがあります。
また早期に発見すれば比較的治療が容易ですが、病気が進行すると全身にがんが広がり治療も難しくなります。
なお子宮頸がんの患者数は現在増加傾向が続いており、毎年約3000人の方が子宮頸がんで亡くなっています。

ワクチンと検診で予防しよう

ヒトパピローマウイルスには200種類以上の種類があります。その中には、がん発症に関連するハイリスクタイプと、がん以外の病気(コンジローマなど)の原因となるローリスクタイプがあります。
ヒトパピローマウイルスは、約80%の人が生きているうちに1度は感染すると言われている、比較的ありふれたウイルスでもあります。多くの場合は自然にウイルスが排除されますが、ウイルスが排除されずに感染が長期間持続した場合に、子宮頸がんの前がん病変を経て、子宮頸がんに進行します。
つまりワクチンでヒトパピローマウイルスに感染すること自体を予防できれば、子宮頸がんも予防ができるわけですね。またウイルスは性交渉で感染するので、性交渉前の年齢での接種がより有効です。ちなみに子宮頸がんワクチンの2価、4価、9価というのは、何種類のウイルス感染を予防するかという意味です。ワクチンのウイルス感染予防効果は、含まれているウイルスに対しては約90%で、すでに感染している場合の治療効果はありません。ワクチンを打っても、残念ながらすべてのウイルス感染を予防することはできません。
そこで大切なのががん検診です。子宮頸がんは子宮の入り口近くにできるので、検査がしやすく、検診でも発見されやすいがんです。もしヒトパピローマウイルスに感染して前がん病変の状態であったとしても、検診で早期発見できれば体に負担の少ない治療で済みます。だからワクチンとがん検診の両方を受けることが大切なのです。

世界と日本のワクチン事情

子宮頸がんはワクチンと検診で予防できるがんです。
先進諸国では子宮頸がんの排除に向けて、2000年頃からワクチン接種率90%を目指した活動が始まっています。ワクチン接種を継続してきた結果、HPV感染率の低下や前がん病変の減少だけではなく、子宮頸がんの発症率の低下についても報告されるようになっています。そして世界での主流は4価ワクチンから9価ワクチンに移行しており、男子への接種も広がっています。
日本では2013年に定期接種化されましたが、ワクチン接種後の「多様な症状」*1が問題となり、わずか2カ月後に厚生労働省は接種勧奨を差し控えるという発表をしました。その結果、定期接種として公費(無料)で接種できるにもかかわらず、ワクチン接種率は0%近くまで低下してしまったのです。
世界保健機構 (WHO)は、世界中の最新データを分析して、HPVワクチンの安全性を定期的に発表しています。また日本の厚生労働省の調査では、ワクチン接種後の「多様な症状」とワクチンとの因果関係は証明されませんでした。
改めてHPVワクチンの安全性が確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると示されたのです。また「多様な症状」に苦しむ人たちに寄り添う診療体制も整えられ、安心して接種できる環境が整えられています。今後のHPVワクチン定期接種の積極的勧奨再開とそれによる効果が期待されています。

※1「多様な症状」:ワクチン接種後に、注射部位に限定されない激しい痛み(関節痛、筋肉痛、皮膚の痛みなど)、しびれ、脱力感が長期間持続するとの報告があります(1.5件/10万回接種)。現在ではこのような症状は「機能性身 体症状」と言って、ワクチン接種と関係なく思春期に見られやすい症状であることが分かっています。