【大田区】婦人科の女医が解説！思春期に起こりやすい月経異常

思春期に見られる月経異常

思春期は8～10歳頃に始まり、胸がふくらむ、わき毛や陰毛が生える、丸みを帯びた体つきになるなど、徐々に大人の女性の体へと変化していきます。月経も思春期に起こる大きな体の変化です。個人差はあるものの、平均で12～14歳頃に初めての月経を迎えます。15歳までに初経が来ないときは、婦人科での相談をご検討ください。

正常な月経は通常25～38日周期で起こり、3～7日ほど出血します。ただし、思春期はまだ体が成熟していないため、初経後も数年間はホルモンの分泌が不安定で、月経周期が安定しないことも多いです。そのため、以下の月経異常が起こることがあります。

• 頻発月経
• 希発月経
• 過少月経
• 過多月経
• 原発性無月経
• 続発性無月経

これらの月経異常は、周期の異常と量の異常でさらに分類できます。それぞれ原因や治療方法などが異なるため、種類に応じたケアが必要です。

月経周期の異常

頻発月経

月経が24日以内の周期で繰り返される状態です。女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が不安定なことが主な原因で起こります。出血量は少ないものの、月経回数の多さから貧血が誘発されるおそれもあります。

希発月経

月経周期が39日以上に及ぶ状態の月経です。原因としては、ホルモンの分泌に異常をきたしていることが考えられます。ホルモン剤や漢方薬などを用いた治療で改善を図ります。

原発性無月経

18歳を過ぎても初経が来ない状態のことです。染色体やホルモンの異常、子宮の奇形、膣の壁がふさがっているなどが原因として挙げられます。放置すると将来的に妊娠にも支障をきたすおそれがあります。

続発性無月経

これまで順調に来ていた月経が3か月以上、止まってしまう状態です。思春期特有のストレスをはじめ、過剰なダイエットや運動などの影響が原因と考えられています。一過性の場合もありますが、短期間で繰り返し月経が止まるケースも多いです。

月経量の異常

過少月経

月経が2～3日以内で終了し、なおかつ経血が極端に少ない状態です。思春期の場合、卵巣機能が未発達で月経周期も安定していないことから、起こりやすいといえます。過度な心配も必要ないため、しばらく様子を見てみましょう。

過多月経

月経が8日以上継続し、出血量が基準よりも多い状態です。思春期のうちはあまり見られませんが、子宮筋腫や子宮内膜症などが懸念されます。長期間続く場合は婦人科への相談や検査をおすすめします。

思春期の月経異常の治療

思春期の月経異常は大部分がホルモンバランスの乱れによって起こります。治療方法としてはホルモン剤の内服などがあります。また、不規則な生活習慣や無理なダイエット、睡眠不足、部活動での過度な運動などが影響している場合、日常生活におけるアドバイス・指導を行います。

親御さんができるケア

お子さんの月経異常を知ると、自分のこと以上に不安を感じるかもしれません。しかし、月経異常に最も不安を感じているのはお子さん自身です。親御さんは正しい知識を伝え、本人の不安を和らげてあげてください。

具体的には、思春期は身体的・精神的にまだ不安定で月経異常は誰でも起こりうること、親御さんがいつでも相談に乗ることを丁寧に伝えましょう。さらに、女医がいる婦人科へ相談することもおすすめです。