小児科一般
Pedicatrics
小児科一般
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アレルギー性鼻炎は喘息や食物アレルギーなどの他のアレルギー疾患と比べて、近年
最も増えている疾患です。子どもたちにおいても例外ではありません。また自然に治ることは少ないため、
小さいうちに発症した場合長い間鼻炎症状に悩まされることになります。
アレルギー性鼻炎は「発作性反復性のくしゃみ、水様鼻漏、鼻閉」を主な症状としますが、風邪をひくことも多く、症状があっても自覚しにくい子どもたちの場合、適切な受診が行われていないことも少なくありません。
鼻炎症状は、睡眠や昼間の集中力にも影響をきたす他、副鼻腔炎や中耳炎などを併発することもあるため、上記の症状以外にも鼻血が多い、口呼吸やいびき、目の下のクマなど、気になる症状がある場合には医師に相談しましょう。
大人ではダニが主な原因(アレルゲン)となる通年性アレルギー性鼻炎より、スギ花粉が主な原因となる
季節性アレルギー性鼻炎が多いのに対し10歳未満の子どもたちではダニアレルギーが多いのが特徴です。
血液検査をするとアレルギーの種類や程度の参考になります。
症状に応じて、抗アレルギー薬の内服や、点鼻薬を使用します。もちろんこまめにお掃除したり、花粉の時期にはゴーグルやマスクの装着をするなどのアレルゲン回避も重要です。
また、舌下免疫療法という根本的な体質を改善し、症状を緩和する治療もおこなわれるようになりました。
当院は舌下免疫療法の実施機関です。
この治療はダニアレルギー、スギ花粉症に適応があり、少量からアレルゲンを摂取し体を慣らしていくという根本的な治療になります。地道な治療で、3~5年の継続が必要ですが、その分治療中止後も長期間症状を緩和させる効果があります。
また以前の皮下免疫療法と異なり、痛みがなくアナフィラキシーなどの重篤な副作用が少ないため子どもたちでも始めやすいという特徴があります。治療開始の目安としては5歳以上となっています。
まず問診と血液検査でアレルゲンを特定します。
ダニ、またはスギのどちらかの薬から開始します。初回はアレルギー症状に備えて院内で服用し、30分程度経過をみます。
※スギの舌下錠は1月~4月(スギ花粉の時期)には開始できません。
副作用がないことを確認しながら増量します。
1か月程度副作用なく続けられていれば、もう1種類の薬も開始することができます。
(ダニ→スギまたはスギ→ダニ)。同じように初回は院内で服用します。
3~5年続けますが、効果が全く得られない場合には、1年程度で治療継続について検討します。
80%以上の方に効果があるとされています。
舌下錠なので、舌の下でお薬を1~2分溶かします。そのため、舌やのど、耳のかゆみなどが主な副作用です。アナフィラキシーなどの重篤な副作用は非常にまれです。
しかし、子どもたちにとって、毎日かゆくなる薬を飲むのは非常に苦痛です。通常1か月程度で副作用はなくなるので、その間は飲み方を工夫したり、一時的にお薬を減らしたりしながら、頑張って続けられるようにサポートします。
ご兄弟や、ご両親もアレルギー性鼻炎の場合、一緒に治療を開始することで続けやすくなります。ご両親もお子さまと一緒にご相談ください。